2020/10/31

教室便り11月号

教室便り


< はじめに >

こんにちは、尾山です。

お部屋も身体も心も衣替えを終え、「冷え」にも拒絶を起こさなくなっているでしょうか?

冷えてくるこの時季は、下腹部、いわゆる丹田に集まる勢力の流れが調っていないと熱を保温する機能が弱まり、身体が冷えやすくなることでしょう。

もちろん、そのために日頃から「伸び」をすることは効果的でしょうが、「姿勢」によっても勢力の流れは大きく変わります。

正しい姿勢、つまり無為自然な姿勢は、自ずから丹田に勢力が集まる姿勢です。

何にしましても、日頃から姿勢を調えることに注意を払い、それが習慣となることは、快適な心身を保つ基礎といえるでしょう。


< 11月のスケジュール >

  • 11月3日はお休みです。

●スケジュール
https://oyama.yoga-space.biz/index.php?go=9bDu7f


< 塞翁が馬 >

古代中国の思想書である『淮南子(えなんじ)』にある物語から作られた言葉が「人間万事塞翁が馬」です。その物語は以下のような内容です。

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砦のほとりの近くに、占いをよくする者がおった。

その者の馬が、どうしたことか逃げ出し、北方民族の地へと入った。
人は皆これをくやんだ。
その者は言った。「これがどうして幸福とならぬと言えようか」と。

経つこと数ヶ月、その馬が、足の速い馬を引き連れて帰った。
人は皆これを祝った。
その者は言った。「これがどうして不幸をもたらさぬと言えようか」と。

その者の家は良馬に富んだ。その者の息子は、乗馬を好み、落馬し大腿骨を折った。
人は皆これをくやんだ。
その者は言った。「どうしてこれが幸福をもたらさぬと言えようか」と。

経つこと一年、北方民族が勢いよく砦に入った。
働き盛りの男性たちは弓を引いて戦い、砦ちかくの人は、死んだ者10人のうち9人であった。
息子だけは片足に障害があった故に、親子は相変わらずさを保った。

故に幸福が不幸となり、不幸が幸福となる、物事の変化の妙を見極めるなど不可能であり、奥深さを推し量るなど不可能である。

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結論で述べられている通り、人の知性には物事の変化の妙を見極めるこは不可能です。限定された人の知性は、ある物事を幸福と見なし、ある物事を不幸と見なすことに慣れています。

さてここで、先月の教室便りでお話をした"状況と態度"という観点からこの物語の教訓を探ってみましょう。

  • 状況Aを幸福と見なす態度
  • 状況Bを不幸と見なす態度

これが、物事のあるがままに抵抗する「残念な態度」です。この「残念な態度」を改めることによって幸福と不幸の束縛から自由になります。

  • 状況Aを状況Aと見なす態度
  • 状況Bを状況Bと見なす態度

これが、物事のあるがままを受容する「無敵の態度」です。この「無敵の態度」であるのなら、状況Aに歓喜することもなく、状況Bに絶望することもなくなります。

元々、いかなる希望も抱かず、あらゆる状況に絶望しているのです(笑)

しかし歓喜の対にある落胆する絶望ではありません。

それは、自由と平和と愛に満ちた絶望です!


< おわりに >

この世界は人知には予測不可能に動いてます。知ってました? 私たちは1秒後、心が何を考えているかも知ることは出来ないのです。(予測が当たることはあるでしょうが)

どこからともなく突然、思考はやってくるし、突然、物事もやってくるというのが事実だからです。

期待する愚かさ、人知の限界を知って、サプライズを楽しみましょう(受け入れましょう)。 

以上です。

それでは、11月もよろしくお願いいたします。

尾山 広平