2022/02/27
教室便り3月号

はじめに
こんにちは、尾山です。
寒さの中にあろうとも、身体はといえば頭脳の知らぬ間に春の訪れを予期し、冬から春の状態へとバランスを取り直しているようです。
雪解けに合わせて雪崩が起こるが如く、"気解け"に合わせて体内から体表へ気が流れ出ていく季節であり、一年のなかでのリセット季です。
2月、3月は、流れに乗っかれば身体が整いやすい時季ではありますが、激動的に変化するなかでは"気詰まり"もおこりやすく、それらを回復するためにも風邪、アレルギー反応を起こしやすいと言えるでしょう。
一年のなかで最も大きな変動時季であり、最も大変な時季になり得ます。
季節の流れにスムーズに乗っかるためには、日々、身体の流れにスムーズに乗っかり「のび、あくび」をすることが大切ですね。
さあ今月も毎日、ことあるごとにあたりまえに「のび、あくび」をしていきましょう。
3月のスケジュール
- 3月21日(月)の早朝クラスはお休みです
その他、通常通りの予定です。
一生懸命
一生懸命。命懸けで物事にあたるさまを表している言葉で、私としては幼い頃から聞き慣れている言葉です。
安君を見ているとこの『一生懸命』という言葉が思い浮かんできます。
先月ご紹介しましたように、安君は、元気に泣き、元気に乳を吸い、元気に排泄し、元気に伸びをし、元気に欠伸をし、元気にバタつき…… 元気です。
しかしこれは言葉を変えると、懸命に泣き、懸命に乳を吸い、懸命に排泄し、懸命に伸びをし、懸命に欠伸をし、懸命にバタつき…… ともなるのです。
本当にほんとに、懸命です。
それは生命にとって自然当然あたりまえであり、決して頑張っているわけではありません。
いつであろうと生命は、命を懸けてその必要を満たし不要を出そう、不快から不不快へと転じようと素直に実行しているということです。
さて、ハタ・ヨガのポーズも懸命に、手先足先表情も怠けることなく全身全霊で力を込めて行いましょう。
もちろん、決して「頑張りましょう」と言っている訳ではありません。
これは言葉を変えると「最大限に心地よく行いましょう」と言うことです。
誰も頑張って伸びをしません、欠伸をしません、ため息をつきません。
ただ単に、必要を満たすこと、不要を出すことが、不快が不不快へと転じることが心地よいだけです。
生命自然は頑張りません。
あたりまえが、あたりまえに、行われているだけです。
その逆に、あたりまえが、あたりまえに行われることを抑制することが、"頑張る"という人為的な行為です。
生命がイキイキとした躍動をとりもどすためには、頑張ることを止めていくことが必要です。
頑張るとは、遊び怠けた態度です。
遊び、怠けとは「必要を満たし不要を出すこと」に注意関心を向けず、それ以外のことを行っていること、あるいは何も行っていないことです。
"遊び(浮き)"は激動性(ラジャス)の現れ、"怠け(沈み)"は停滞性(タマス)の現れです。
この浮き沈みする2性質を磨いていくことで、元々ある平かな「元気、安気」などの純粋性(サットヴァ)が現れてきます。
心身を清めるとは、こびり付いた2性質を磨いていくことです。
そしてそう、最も重要なのは"懸命さ"です。
懸命さとは、ただただ生命自然が"素直に"表現されている態度です。
かの夏目漱石は、晩年、文学・人生の理想とした境地を『則天去私』と称し、自我の超克を自然の道理に従って生きることに求めようとしたようですが、それと同じことです。
生命自然に素直になることによって、我による2性質は消え去っていき、平安な自己が姿を現すということです。
生きとし生ける生命を尊び、日々懸命に参りましょう。
おわりに
明日28日(月)15時からのクラスですが、エレベーターの点検が15時まである予定ですので、少し遅くにお越しください。もちろん階段を使っていただいても構わないのですが……(笑)
以上です。
3月もよろしくお願いいたします。
尾山 広平