2023/07/31

教室便り8月号

教室便り8月号


はじめに

こんにちは、尾山です。各地でお祭りも催され夏真っ盛りといったところです。この暑い、暑い夏の過ごし方を、アーユルヴェーダ教典では次にように解説しています。

以下『アーユル・ヴェーダ 日常と季節の過ごし方』より

ハス、ムラサキスイレンの花輪をつけ、細いハスの繊維で作った腕輪をはめ、白檀の芳香を身体に塗った主婦たちやターラの葉で送る風を楽しみなさい。 湖、大きな井戸、川、冷んやりとした美しい芳香の漂う森に住み、薄く軽い服を着用しなさい。 水が器具を通じて上から常に流れてくるような設備のある、別荘で休息しなさい。夜は、芳香を有する花が敷かれている空の下で、クスノキ、白檀の方向を身体に塗っている妻と、房事をすることなく休息しなさい。

アシュターンガ・サングラハ 総論 4章

夏には池、川、井戸、ジャングルは好ましく、白檀、ハス、ムラサキスイレンの花輪に飾られ、軽く薄い衣服を着用しパルミラヤシの葉で送られる風を受けながら、冷たい飲食物を摂り、涼しくした家の中で、休息しなさい。 どの場所にも新鮮な花が咲き乱れているような宮殿内に設けられた寝室に眠り、白檀を湿らせて塗った身体に、心地よい風を受けながら休息しなさい。

スシュルタ 補遺

熱中症に気をつけることが叫ばれていますが、身体に負担のかかる猛暑日が続いています。心地よく涼める環境のなかで、静かに休息することが必要なことでしょう。


8月のスケジュール

  • 11日(金)から15日(火)までお休みです。


対処法と根治法

例えばケガをしたときの対処法は、出血を抑えるために圧迫したり、痛みを抑えるために鎮痛剤を飲んだり、感染症を防ぐために清潔に保ったりなどです。根治法はなく、自然治癒力により根治されます。

例えばウイルス感染で発熱したときの対処法は、休息をとったり、寒気があるのなら身体を暖めたり、暑苦しいのなら濡れタオルで冷やしたり解熱剤を飲んだりなどです。根治法はなく、自然治癒力により根治されます。

このように、身体を元通りの元気な状態に治すのは、身体自身の生命力、自然治癒力によるところが大きいものです。

しかし、

例えば慢性腰痛。ここでも自然治癒力により根治されても良いと思うのですが、「慢性」というだけあって、長い間なかなか痛みが取れない状態です。

これは決して自然治癒力がサボっているわけではなく、慢性化の【原因】が取り除かれていないために治癒が起こらないといえるのです。

さて、

今のご時世では、痛みを含め様々な慢性的症状の主な原因は【ストレス】にあると考察されているようですが、ご存知でしたか?

要するに、精神的、身体的に、様々な【ストレス】を受けることにより、自然治癒力の発揮が妨げられていると言えるのです。


精神的ストレス

  • 人間関係(配偶者、親子、友人知人、上司、部下など)による喜怒哀楽の抑制
  • 生活環境(寒、暑、湿、乾、光、音、香、風など)による喜怒哀楽の抑制

身体的ストレス

  • 大気汚染(工場、自動車、飛行機などの排気ガスなど)
  • 水質汚染(重金属、塩素など)
  • 太陽光(紫外線など)
  • 電磁波(スマホ、PC、Wi-Fiなど)
  • 生活環境(寒、暑、湿、乾、光、音、香、風など)


例えば、腰痛の原因はハゲ上司に対する不満(怒り)を抑制していることかもしれません。日々笑顔で接しているけれど、実は心の底ではイライラを募らせたりということもあり得るのです。

この場合、ハゲ上司と対面しない環境づくりが対処法です。そしてハゲ上司に対する無自覚な怒りを自覚することや、「人間はハゲであってはならない」という無自覚な信念の自覚など、心の底に停滞したエネルギーを流れるようにすることが根治法といえ、それが心身を調えるということです。

また、身体的ストレスによっても自然治癒力は弱まり、様々な症状が引き起こるとも考えられます。この場合はストレッサーに晒されない環境づくり、対処が根治法です。

そしてここで、

心を調えるということは、「精神的ストレス」への根治法と言い換えることができます。それは外的な刺激に対して喜怒哀楽が起こらないように調整する、ということです。

精神的ストレスの原因は、盲信(主観的な信念)であり欲望と恐怖です。根本的な原因は、そう「私は存在している」という信念であり、自我観念です。

個人的『私』が存在していると認識している限り、欲望と恐怖(喜怒哀楽)は起こり続けるため、精神的なストレスが無くなることは決してありません。

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根っこが強固で無傷であるのなら、切断された木でも再び成長する。(同じように)潜在する欲望が根絶されていないのなら、この苦しみは返す返す起こる。

第24章 欲望|ダンマ・パダ:真理の言葉|ヨガ空間

ここでの欲望の根絶とは……

「自我(心)の止滅」あるいは「無我の認識」を示しています。


参考

TMS理論|雑記43|雑記③|ヨガ空間


おわりに

今月も最後は安君のお話を少々。

今でも色々な物を手に取り口に入れることがあります。手を洗うという習慣がありますが、実際には手を洗うその前に、汚い指を口に入れていたりします。

それは菌を取り入れているとも考えられています。口内細菌や腸内細菌を培養していくためでしょうか。

そのためなのか、鼻水を出したり、咳を出したり、あるいは熱を出したりが、私たち大人に比べて多いいです。

そうすることによって、免疫力を高め、環境に適応していくのが身体の生きる知恵、本能なのでしょう。


以上です。

忘れていました。ホームページを元々の場所に移転しました。

8月もよろしくお願いいたします。

尾山広平