2023/07/31

教室便り9月号

9月号


はじめに

こんにちは、尾山です。夏もそろそろと終わりを迎え、最近ではセミではなくコオロギ?スズムシ? 虫の鳴き声がよく聞こえてきます。

さて今月も、アーユルヴェーダ教典によるこの時季の過ごし方をご紹介します。

この季節の影響により、澄んだ清浄な水を飲用すれば、それはあたかも白鳥が飲用する水(ハムソーダカ)の如く最高の水となる。白鳥の群れが羽を広げ、あちこち遊泳し、他方ではミツバチの列が、あちこち飛遊している。
美しいハスの花、白鳥によって装飾された湖に浮遊しなさい。絹のように薄く清潔な衣類を着用し、花輪を首にかけ、白檀やウシーラで身体に芳香をつける。
夕方にはテラスに座し月光を楽しみなさい。しかしヨーグルト、アルカリ性物質、脂肪、油、強い酒、午後の睡眠、直射日光、露、東風を満喫することは、避けるべきである。

アシュターンガ・サングラハ 総論 4章

他の教典にも夕方に月光浴をすることが書いてありますが、秋は月に目を向けたり、虫の音に耳をすましたりと、心静かに過ごす時間をとりやすい季節です。

心静かに参りましょう。


9月のスケジュール

  • 18日(月)はお休みです。


苦楽と信念

ある人は走ることで元気溌剌とし、ある人は走ることで元気衰弱する。また、ある人は断食をすることで元気溌剌とし、ある人は断食をすることで元気衰弱する。また、ある人は栄養ドリンクを飲んで元気溌剌とし、ある人は栄養ドリンクを飲んで元気衰弱する。また、ある人はボランティアをして元気溌剌とし、ある人はボランティアをして元気衰弱する。

このように同じことをしたとしても、ある人は元気溌剌、意気揚々とし、ある人は元気衰弱、意気消沈します。言葉を変えると、同じことをしても、ある人は楽しみ、ある人は苦しみます。つまり"心"が楽しんでいるから元気溌剌とし、"心"が苦しんでいるから元気衰弱すると言えます。

世間がいくら〇〇が健康に良い、あるいは社会に良いなどと煽っても、本人がそれを信じず、恐れ、嫌っていれば、その行為は苦しみであり、衰弱、あるいは悪徳を生むだけです。逆に〇〇は健康に悪い、あるいは社会に悪いなどと煽っても、本人がそれを信じず、欲し、好んでいれば、その行為は楽しみであり、溌剌、あるいは善徳を生むものです。

何事も、「何をするか?」よりも、「何を信じているか?」という信念、心の在り方に"心身"の状態だけではなく、人生の状態(運命)さえも左右されるということです。今している生活のなかに、恐れ嫌っているものが多ければそれは苦しい生活となり、欲し求めているものが多ければそれは楽しい生活となり得るのです。

ですから、ある人は何をするときも元気溌剌、意気揚々としていたり、ある人は何をするときも元気衰弱、意気消沈していたりすることが起こります。

「何をするか?」という目に見える行為や「何が得られた」という目に見える結果に目が囚われているうちは、「すること」や「得られたもの」がどれほど変化しようと、心は相変わらずのものを欲し好み、恐れ嫌い、根本的には相変わらずの生活を繰り返していくのです。

さて。

ヨガでは、「欲望と恐怖」「愛好と嫌悪」、このどちらからも解放される道を行きます。「何をするか?」「何を得るか?」という行為と結果への関心を退け、必要なことを「ただする」という見地に立ちます。

好感と反感への関心を退け、それから解放された自由人。

その人は、何をするときも何を得たときも元気溌剌、意気揚々とすることなく、また何をしなくても何を失ったときも元気衰弱、意気消沈することもないのです。傍目にはどう見えていようが、その人自心の心と呼べるようなものは無くなっており、それは「無心」や「無我」と呼ばれる「涅槃寂静(絶対幸福)」の境地に在るのです。

それがヨガ(悟り)です。

参考


おわりに

今月も最後は安君のお話を少々。

ここのところ、「真似をする」という行為が顕著になってきました。発音にしても、行動にしてもです。

親が「あーあ」と言ったら「あーあ」と真似したりします。またそれだけに終わらずその状況を覚えていて、その後は自ら判断し「あーあ」と言うようになりました。今朝は「よいしょ」と言いながら立ち上がっていました(笑)

ずいぶんと前から飲み物を飲んだあとには「あ"ーっ」と息を吐くことがありますが、これは真似なのか、自然現象なのか、もはや判断がつきません。

その他、ご飯前には遊んでいたものを一緒になってお片づけしていたら、最近ではご飯だと分かると自分からお片付けするようにもなりました。

まぁ「親の背を見て子は育つ」「子は親の鏡」と言われる通り、子の行為を反省材料とし、自分自心の「心動、言動、行動」を調えることが重要ですね。


以上です。

9月もよろしくお願いいたします。

尾山広平