2019/09/29

教室便りvol.10

教室便り

こんにちは、尾山です。

若干の寒さを感じる朝もありましたが、快適に涼しく感じる朝を迎えているのではないでしょうか。早朝に坐法(瞑想)をするのにも最適な時季といえますね。とはいえ、ここからは涼しさと寒さを繰り返しながら、徐々に冷え込んでいき、身体の方も身を屈めていくことでしょう。

9月は、側屈の伸びをメインに練習しました。当教室の側屈は、一般的な体操(ヨガも含む)で行われている側屈とは骨盤(鼠蹊)を正反対に方向付けするところが、皆さま難しく感じられるところです。例えば、背骨を右側屈する場合、一般的には骨盤を左に移動するところを、当教室では骨盤を右に移動します。

しかし実際には、背骨を右に側屈しようとすれば、骨盤の右への移動が「起こる」のが自然であり、そこに人為的意図はありません。一般的な側屈では人為的な無理をしているため、身体は重たく、しんどく、呼吸がしづらくなります。一方、自然な側屈は、身体は伸び伸び、力強く、呼吸はしやすいです。

話を変えます。ほとんど機能していない私的なブログですが、昨日「正しい姿勢」について書きました。それは身体を扱う上での基本の「き」といえる最重要のお話なので、しっかりと読み返してみてください(今朝少し書き足しました)。

● 正しい姿勢
https://yoga-space.biz/index.php?go=eBto4U

あと『ハタ・ヨガの修行法』と『ヨガの太陽礼拝』に書き下ろした「まんぐーす爺さんの教説」を、ヨガ空間の爺コラムに追加しましたのでお読みください。

● コラム
https://yoga-space.biz/index.php?go=6hHM1r

さて、10月は、捻転の伸びをメインに練習します。何度かお伝えしていることですが、実のところ側屈と主動作は同じです。ただ腕の形体の違いにより、側屈が主となるか、捻転が主となるかの違いが出ます。側屈のコツを忘れず、う~んと捻っていきましょう。この時季、冷えて固まりやすい腎臓も調えられると思います。


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<10月のスケジュール>

・ 14日(月)の早朝クラスは、お休みです。

● スケジュール
https://

※ 明日30日(月)は、お休みです。


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<動機>

前回の教室便りvol.09では、ブッダの説教と伝わる『ダンマ・パダ』(中村元訳)から25の文章を引き抜き、怠けず、精進することへ激励としての言葉をお伝えしました。ブッダの確信に満ちた言葉が、精進(成長)するためのエネルギー(動機)を湧き起こしてくれたでしょうか!?

前回も少し「動機」についてお伝えしましたが、人が行為するには、そこに「動機」があります。教師の役割の一つは「動機を育てること」です。動機が育てば、後は自ずから行動に移すからです。始めから成長したい、悟りたい、などの動機が育っている人にはその方法を説くでしょうが、成長も、悟る気もない人に、その方法を説いても「暖簾(のれん)に腕押し」となるのがおちです。

・怠惰な人は、悪魔に打ちひしがれる
・怠惰な人は、死者の如くである
・怠惰に耽る人は、堕落し地獄に落ちる
・怠惰を軽んずるな! やがては災難に満たされる

・精進する人は、悪魔に打ちひしがれない
・精進する人は、不死の境地である
・精進に勤める人は、至福の近くにいる
・精進を軽んずるな! やがて福徳に満たされる

・これまで怠惰な人も、これから精進するなら、その人はこの世を照らす
・怠惰に百年生きるより、精進して一日生きる方が優れている

前回の言葉を少々いじりましたが、ブッダは、「怠惰の恐ろしさ」を伝え、「精進の素晴らしさ」を伝え、勇気を与え、動機を与えているのです。ぜひもう一度、前回の「教室便りvol.09」の言葉も読み返してみてください。

● 教室便りvol.09
https://oyama.yoga-space.biz/index.php?go=VOxZfT

重要なのは、何をするかではなく、何のためにするのかです。

仕事で遅刻する恐怖に従い早起きするのか。お弁当を作りたい欲望に従い早起きするのか。お弁当を作ってあげたい愛に従い早起きするのか。生活を調える必要に従い早起きするのか。「同じ早起き」でも動機が異なれば、それは「まったく異なる行為」であり、当然「まったく異なる結果」を受け取ります。

精進とは、記憶に従った自分勝手な動機(快楽への欲望&苦痛への恐怖)の繰り返しから抜け出す道であり、その動機を変えることこそが、ヨガ修行の要点なのです。


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以上です。
10月も、よろしくお願いいたします。

尾山 広平