2015/07/29

教室便りvol.08

教室便り

こんにちは、尾山です。
直射日光は痛いほどに皮膚を照らし、セミの鳴き声は痛いほどに頭に響き、夏だな~といった感じです。

夏、真っ盛りですが、いかがお過ごしでしょうか? 私としましては、暑い夏も大好きでして、どこもかしこも冷房の効いた日本は苦手です。今も、じんわり汗をかきながら、キーボードを叩いております。できる限りは(体調を崩さない程度)、文明の危機に依存しない、便利に縛られない生活をしたいものです。

また、ヒンヤリかき氷もおいしいと感じますが、胸の緊張が増し、熱の発散を停滞させます。胃腸もにぶり食欲も落ちる。結果、暑い夏は苦手となるでしょう。

それよりもほどほどに冷えたスイカ、桃など旬の物から水分・ミネラル・ビタミン・糖分を補給しつつ、体の熱を冷ましたりするもの、いいかと思います。さらには逆に、ホットなものを食べて発汗を促した方が、胸の緊張がゆるみ、熱の発散を流動させます。結果、暑い夏も大好きとなるでしょう。


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● 8月のスケジュールのお知らせ

・ 8月7日(金)は、早朝クラスお休みです。
・ 8月13日(木)、14日(金)は、お休みです。

※ 明日の7月30日(木)は、8月分として行います。
 ※ 5週目の8月31日(月)は、9月分として行います。

その他、通常通りです。


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● 行法の手順

基本的には、行法の手順は次の流れで行います。

1.調座法
2.礼拝法
3.浄化法
4.体位法
5.調気法
6.瞑想法
7.礼拝法

今回は、五つ目の調気法について簡単に説明したいと思います。


<調気法:浄め方>

さて、ハタヨガの第二段階に入りますが、メイン行といえるでしょう。調気法は、気道(気の通り道)を浄化し、気の流れを調える行法です。私としては、浄化法はより粗大な汚物を排泄し、体位法は中度な汚物を排泄し、調気法はより微細な汚物を排泄する。そんなイメージです。調気法では、次の状態へと導いていきます。

 ● 気道に汚物が詰まっていない状態

気道とは、ナーディと呼ばれる気の通り道のことで、物理的に発見できるものではありません。私としては力学的な力の通り道でもあると考えています。汚物とはその力の通りを堰き止めている「緊張」ともいえるでしょう。


◎ 調気法の目的

・ 気道の汚物を取り除き、快適に調座法を行えるようにする


◎ 八つの調気法

そのために8つの調気法が紹介されています。

1.スーリヤ・ベーダナ
2.ウジャイー
3.シート・カーリー
4.シータリー
5.バストリカ―
6.ブラーマリー
7.ムールチャー
8.プラーヴィニー

以上の8つです。

といいましても授業では、これらの調気法はほどんど行わず、基本の調気法であるナーディ・ショーダナ(気道の浄化)を行っています。


◎ 基本の調気法(ナーディ・ショーダナ)

片鼻交互呼吸とも訳される調気法です。左右の鼻腔に交互に気息を通すことにより、活性化と鎮静化のバランスをとるとも考えれています。つまり、交感神経と副交感神経のバランスです。とまれ、呼吸というのは、心身(気)に直接的に影響を与える運動であることでしょう。


◎ 諸刃の剣

調気法は、心身に直接的に影響を与える分、微細な制御を必要とします。経典には、「調気を正しく行じていくならば、いっさいの病が無くなるであろう、しかし、修練の仕方を誤ると、かえってあらゆる病が生ずる。」とあります。直接的である分、危険が隣り合わせているということです。

それも考慮し、尾山ヨガ教室では、基本的には基本の調気のみを行っています。本来的に調気法は、浄化法により粘液体質・肥満体質を脱し、体位法により肉体の制御を確実にできるようになったうえで行うべき行法なのです。


補足:

<印相法:通し方>

調気法では、保息時(息を止めるとき)に、3処の締めつけを行いますが、これはスシュムナーと呼ばれる中央気道に“元気”を通すことを狙った行法です。これはハタヨガの第三段階である印相法の行ですが、これこそがハタヨガの直接的な目的であり、これにより調気法がメイン行となりえるといえるでしょう。


◎ 印相法の目的

 ・ 中央気道に元気を通す


◎ 十の印相法

そのために10印相法が紹介されています。

1.マハー
2.マハー・バンダ
3.マハー・ヴェーダ
4.ケーチャリー
5.ウディヤーナ・バンダ(腹部の締めつけ)
6.ムーラ・バンダ(肛門の締めつけ)
7.ジャーランダラ・バンダ(ノドの締めつけ)
8.パリータ・カラニー
9.ヴァジローリ―
10.シャクティ―・チャーラナ

以上の10行です。

調気法では、その他として紹介されているバンダ・トラヤ(3処の締めつけ)を行います。


◎ 3処の締めつけ(バンダ・トラヤ)

印相法の「5.腹部の締めつけ」、「6.肛門の締めつけ」、「7.ノドの締めつけ」を同時に行い、気を中央気道へ導く。

イメージとしては
① 吸息に乗せて、気を骨盤底から腹部を通し胸腔へ導き、気が下がらないように押し上げておく
② 保息とともに、肛門を締めなおし、腹部も締めなおし、声帯・ノドを締めて、気の流れを堰き止めておく
③ 吐息に乗せて、3つの堰(締め付け)をはずし、胸腔に閉じ込めた気を、解放し、流す。

気も水と同じで、堰き止めると「流れたい流れたい」とエネルギーを高めます。そのあと、堰をはずすことで、今までチョロチョロとしか流れていなかった道にも、勢いよく流れる。そんなイメージです。これは体位法でも同じイメージで、筋肉を収縮(堰き止め)し、ゆるめる(堰をはずす)と、気が勢いよく流れる。

機能的に、骨盤底、横隔膜、声帯は、呼吸と深く関わりのある部位です。人はストレスを感じると、声帯が締まって息がつまり、横隔膜が緊張させ、骨盤底筋も緊張させます。その緊張を解くという意味においても、その緊張に日頃から気づくという意味においても、調気法は意義のある行法であることでしょう。


何にしても、慌てることなく落ち着いて、焦ることなく地道に着実に、修習していくことが大切です。


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会員の方に、去年9月から配布している基本行法手引書を更新します。前回はさらっと基本行法の説明のみでしたが、今回は大幅に内容を増やし、完全版ともいえるほどの濃い内容にしました。30ページ以上にわたりますので、配布はいたしません。9月からダウンロードできるようにしますので、楽しみにお待ちください。


2014年版のダウンロード
・ 基本行法手引書(パスワード:)
⇒ http://

・ 早朝クラス手引書(パスワード:)
⇒ http://


以上です。
ご質問等ございましたら、メールやコメント欄でお気軽にどうぞ。
では、8月もよろしくお願いいたします!!

尾山 広平