2019/12/01

教室便りvol.12

教室便り

<はじめに>

こんにちは、尾山です。

足早に秋は過ぎ去り、季節は冬へと……。身体は骨盤底部や首の付根を収縮させて熱を保温しようとするようです。このとき、骨盤底部や首回りのに弾力があれば、身体は素直に熱を保温する状態へと移行してくれるでしょうが、弾力が失われた固着状態では、その移行が滞り、身体が冷えてしまったり、頭には熱がこもり「ぼ~っ」とのぼせてしまったり……。

日頃から姿勢を調えていることや、締付の練習をしていることは、快適な生活を営むための基礎を固めてくれることでしょう。


<12月、年末年始のスケジュール>

・ 年末の授業は、24日(水)までです。
・ 年始の授業は、6日(月)からです。

● スケジュール
→ https://


<適応力>

先日、「朝型と夜型」に関するあるコラムを読みました。今年2019年1月『ネイチャー・コミュニケーションズ』という学術雑誌で発表された「朝型の人と、夜型の人の違いは、351の遺伝子が関与しいてる」という論文をもとに、「いくら努力しても夜型が朝型に変わることはない、気力では治らない」などという内容が書かれていました。

さて、これを聞いて皆さんはどう反応するでしょうか。「あ~、そういうことか。いつまで経っても朝が苦手な理由が分かった。納得」などと軽率に結論づけて、生活の乱れを遺伝子のせいにしませんように……。

自然性から考えれば、暗がりでの活動は危険であるため、日の出とともに活動を始め、日の入りと共に活動を休めることが、安全で理に適っている規則正しい生活と言えるでしょう。つまり遺伝子的にきっぱり夜型というのは、本来的には有り得ないということです。

因みに、毎年秋ごろ平針駅周辺には「ムクドリ」の大群が押し寄せ、その鳴き声や、糞などが問題となっているのですが、彼らは夕方は日が沈むころ、どこからともなく現れ、平針駅周辺の電線や街路樹に留まり始めます。そして、朝方は日の出とともに南の方へ飛んでいきます。それはまさに規則正しい生活と言えるものです。

また、先のコラムでは、精神科医で睡眠専門医の三島和夫氏の「体内時計の周期は23時間50分~24時間30分までと、40分ほどの個人差がある」という調査をもとに、「規則正しい生活には、24時間との"差"が少ない人ほど向いており、"差"が大きい人ほど向いていない」などという内容が書かれていました。

さてさて、これを聞いて皆さんはどう反応するでしょうか。「あ~、そういうことか。いつまで経っても規則正しい生活が苦手な理由が分かった。納得」などと軽率に結論づけて、生活の乱れを体内時計の周期のせいにしませんように……。

自然性から考えれば、この"差"が、規則正しい生活を崩すためのものであるはずがありません。この"差"があるからこそ、生命は様々な状況に「適応」することができるはずです。つまり体内時計の周期がきっかり24時間というのは、本来的には有り得ないということです。

つまり……

遺伝子に朝型と夜型があろうがなかろうが、体内時計の周期に個人差があろうがなかろうが、生命に刻まれている遺伝子は、生き延びるためにあるはずです。ラジカルに言えば、臨機応変、朝型にもなれるし、夜型にもなれる遺伝子こそが生き延びる種であり、いつでも眠ったり起きたりできる遺伝子こそが生き延びる種となるでしょう。

朝、集団に乗り遅れて飛び立てないムクドリは、生き延びる確率がぐんと下がるのと同様に、朝、社会のリズムに乗り遅れて起きれないヒトもまた、社会で生き延びる確率はぐんと下がるものです。適応力がなければ、その種は滅亡していくように定められている訳です。

ここで、「あ~、なるほど。私にはその適応力が無いから、滅びていくしかないわけね……」と悲観的にふて腐れるのではなく……。ここまで生き延びてきた私たちの遺伝子には、その「適応力」が既に備わっているでしょうから、規則正しい生活を実践していきましょう。

というお話でした。


<おわりに>

最近、あるお爺さんと、ある女性が、交換日記を始めました。2人で問答し合う形式で「問答交換日記」と名付けられているものです。どなたでもこの交換日記を通して質問できるようですので、何かあれば気楽に参加してみてください。

問答交換日記
→ https://mondou.hatenablog.jp/about

以上です。

12月も、よろしくお願いいたします。

尾山 広平