2018/12/02

教室便りvol.12

教室便り

こんにちは、尾山です。
今年も12月となりました。

「ある種の動物が、冬期、土や穴の中にはいって活動をやめ、食物をとらないで、冬を越すこと。」そう、冬眠のことです。「冬眠したかった。人間はどうして冬眠しないのか」なんて話がありました。確かに人間も、冬季は活動を静め、休息をとる時期といえるでしょう。

そうかといって、温かいご飯を食べ、温かいコタツに入り、温かいお風呂に入り、働かずぐうたら・・・などと過ごしていたのでは、冬眠とは大違いです。冬眠をする動物は、食事無しでも生き抜くために、体温を低下させ、代謝を低下させ、わずかなエネルギーでも生体を維持できる状態へと移行するのです。

冷たい手先は動かしづらいように、「冷え」は運動機能を下げることは誰もが経験することでしょう。「冷え」は、運動機能だけではなく、生体機能全般を停滞性に傾けます(代謝を下げる)。つまりこれからの時季は、消化器系も、循環器系も、呼吸器系も、神経系も、運動器系も、活発には働かない、ということです。

より消化に良いものを食べたり量を控えたり、身体を激しく動かすことを控えることが、冬季の適切な過ごし方と言えるかもしれません。


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<12月、1月のスケジュール>

・12月24日(月)から、1月4日(金)までお休みです。
・1月11日(金)の早朝クラスは、お休みです。

● スケジュール
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<愛>

今年最後の教室便りですが、ヨガ・スートラの戒律の解説は止めにして、お釈迦さんの説いた真理の言葉(ダンマパダ)の中から「愛」についての一説を取り上げます。

210:愛する人と会うな。愛していない人にも会うな。愛する人に会わないのは苦しい。また愛していない人に会うのも苦しい。

211:それ故に愛する人をつくるな。愛する人を失うのは災いである。愛する人も憎む人もいない人々には、患いの絆が存在しない。

ここでの「愛する」とは、「快楽を有するための」を示しており、ヨガ・スートラで説かれている煩悩の1つ、「貪愛(とんあい)」のことです。分かりやすく言えば、「愛好」「愛着」、単に「好き」といったところです。

お釈迦さんはここで、「自身が楽しみ、喜ぶための人(対象)をつくるな。なぜなら、楽しみ、喜ぶための対象を有する限り、その対象を失ったときには、苦しみは必然的にやってくるのだから」と説いています。

そして続けて「楽しみと苦しみの同一性に気づき、それらから関心を離しなさい。なぜなら、貪愛(楽しみを求めること)と憎悪(苦しみを避けること)への執着から離れた人々には、何の苦悩もありはしないのだから」と説いています。これは、ヨガ・スートラで説くところの「離欲(りよく)」です。

さて、結局のところ。

人は孤独感、疎外感から逃れるために、ある特定の対象に執着します。自我(心)が「私は他から分離している」という思い、つまり「私は身体である」という観念を有している限りにおいて、この孤独感、疎外感が消滅することはなく、もちろん特定の対象への執着がなくなることもまた、ないのです。

「私はあなたを愛している」

この言葉が、特定の誰かに対してであり、自身の楽しみを有するためであり、自身の苦しみを避けるためであるとき、それは差別分離に基づく「偏愛」や「愛着」であり、それは愚かさ、幼稚さの表れと言えるのです。

「私はあなたを愛している」

この言葉が、特定の誰かに対してでもなく、自身の楽しみを有するためでもなく、自身の苦しみを避けるためでもないとき、それは平等同一に基づく「偏りの無い愛」や「執着の無い愛」であり、つまり単に「愛」であり、それは賢さ、成熟さの表れと言えるのです。

さて!?

ヨガ修行の2つの支柱である「修習」と「離欲」は、速やかに私たちを、幼稚から成熟へ、愚鈍から賢明へ、分離から同一へ、差別から平等へ、苦悩から至福へ、そして、単一の「愛」へと導いてくれるのです。


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<12月の体位>

● ライオンの体位

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口を大きく開いて舌を出すという締め付けを行う体位です。これまで、口から「はーーーーーーっ!」と勢いよく吐き、溜まったストレスを発散するかのように誘導してきました。それはそれで「良し」なのですが。単純に「欠伸」をするように「あああああああ〜」とジワリと行うのもまた「良し」です。「欠伸」は、とりわけアゴ周りから喉首回りといった、生体にとって非常に重要な部位をゆるめる非常に重要な反応と言えるでしょう。

もう5年以上も前の記事(絵)ですが、以下のURLをご覧ください。見るだけで「欠伸」がでると思います(でますように)。いや、だしてっ!

「伸び・欠伸」
https://yoga-space.biz/index.php?go=LgYe5b

猫や犬のように口を大きく開けて舌を出し、気持ちの良い欠伸を出しましょう。


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以上です。
12月もよろしくお願いいたします!


尾山 広平