2017/02/27

教室便りvol.03

教室便り

こんにちは、尾山です。
前回お伝えしました拙著『解説般若心経』はAmazonにて発売開始となりました。興味のある方、是非お読み下さいませ。

『解説般若心経』
https://yoga-space.biz/index.php?go=A0mfM8#book4

さて、徐々に日の長さと暖かさを実感してきた今日この頃ですが、2月~4月にかけて身体は、冬の寒さで締まった骨盤を緩めていく時季であり、冬の間に溜め込んだエネルギーを外へ外へと出してゆく排泄、浄化していく時季です。

今年もきれいサッパリとして、のどかな4月を迎えましょう。


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● 3月のスケジュールのお知らせ

・ お休みなく、通常通り行います(5週目も行います)。

スケジュール
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<姿勢を調えるとは??>

『解説般若心経』でまんぐーす爺さんは、小休止としてハタ・ヨガについても語ってくれていますので、その一部をご紹介します。

 ∞∞∞∞∞∞以下本文より∞∞∞∞∞∞

  二人が座り向かい合い直すと、まんぐーす爺さんは言いました。
 「さて、姿勢作りや動作における目的とは、
  ――無理をせぬ事――
  この一言に尽きる。
  では無理をせぬとはどういう事じゃろう?」
 「……う~ん、
  身体に負担を掛けないことでしょうか?」
 「そうじゃな。
  では身体に負担を掛けぬとはどういう事じゃ?」
 「……う~ん、
  無理をしないということ……」
 「はっはっはっ、堂々巡りじゃな」
 
  まんぐーす爺さんは一息つくと言いました。
 「ところで――
  『自然』とはその言葉通り、
  自ずから然りと起こるものじゃ。
  そこに主体もなく主体性もない、
  そうじゃね?」
 「はい、実体の無い『空』です」
 「うむ。
  当然、何一つ自己主張などせぬ。
  水が『面倒だから蒸発するの止~めた』だとか、
  雲が『今日は暑いから北へ流れよう』だとか、
  雷が『あの人は悪者だからあの人に落ちよう』だとか、
  その様な主張をしたなら世界はどうなるじゃろう?
  主張するとは無理不自然であり、上手に世界は動かぬ」
 「はい、確かに」
 「動作もこれと同じじゃ。
  腕が『疲れたから動くの止~めた』だとか、
  脚が『今日は冷えるから家にいよう』だとか、
  頭が『のぼせたから外へ出て冷やそう』だとか、
  その様な主張をしたなら身体はどうなるじゃろう?
  主張するとは無理不自然であり、上手に身体は動かぬ」
 「はい、確かに」
 「要するに主張するとは、
  部分部分が其々自分勝手に別々に動くという事であり、
  より解り易く表現するならば、
  部分が全体の動きに逆らうという事なのじゃ」
 「なるほど」

  まんぐーす爺さんは一息つくと言いました。
 「要するにじゃ。
  ――無理をせぬ事――
  それは部分部分が主張することなく、
  全体が協力し合う事であり、
  姿勢作りや動作の練習とは、
  全身が統一された姿勢――統一体(とういつたい)――
  それを習得するためにあると言えるのじゃ」
 「なるほど」
 「例えば『山の体位』とは、
  統一体での立位姿勢を習得するための練習であり、
  それは武道で言われる自然体に同じじゃろう。
  そして『太陽礼拝』とは、
  統一体での動作を習得するための練習であり、
  手を上方へ向けて上げる時、
  下方へ向けて下げる時、
  また、手で身体を支える時、
  手が主張してはいけない。
  足を前方へ向けて出す時、
  後方へ向けてさげる時、
  また、足で身体を支える時、
  足が主張してはいけない。
  因みに――いけない――とは、
  全身が統一されておらぬ――という事なのじゃ」
 「はい」

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姿勢を調えるとは本当にはどういうことなのか??

言葉を作った人に教わってみましょう。「姿勢」という文字は「姿」と「勢」から成り立ち、「姿」とは〈形〉を示し、「勢」とは〈力〉を示しています。つまり姿勢を調えるとは、形を調えるだけではなく、力(=流れ)を調える必要があることが解ります。

外側の「姿形」だけを調えようとするとき、それはもぬけの殻となり、身の無い練習となります。しかし内側に働く「力の流れ」を調え、全身を〈ヒトツ〉に繋げようとするならば、それは実の有る練習となります。

それは指導者の言葉や、姿形を手直しされるだけでは、身に付きづらい内部感覚です。まして自己練習で姿形だけを真似ただけでは……。

今後の授業では、全身が統一された内部感覚を身に付けるための練習を増やしていこうと思います。驚きと共に目から鱗をこぼしながら、身を以て統一体(とういつたい)を学んでいきましょう。


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以上です。
3月もよろしくお願いいたします!

尾山広平